準備書面だけをみても、不知や否認がなにを指しているかわからないので対応版とさせていただきました。

訴    状(2001.07.27付)


原告 野村 一也

準備書面(2001.11.27付)

被告今井亮一,同平野泰巳及び同小谷洋之訴訟代理人
弁護士 山下幸夫 

請求の趣旨
1.被告らは、原告に対し、連帯して金400万円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払済までに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
2.また別紙2.に記載の方法で謝罪文の掲載を求める。
3.訴訟費用は被告らの負担とする。との判決並びに仮執行宣言を求める。




被告らの原告の訴状・請求原因に対する認否は,次のとおりである。
なお,原告が証拠として引用する各発言については,実際のログと一致するか否か検討中であり,「発言は認める」と述べた部分についても,実際のログと異なることが後に判明することがありうるので,全て 「概ね認める」との趣旨であり,後日,ログが実際のログと異なっていると主張する権利を留保するものである。

請求の原因

第1 訴状・請求原因に対する認否
第1 当事者目録

1.被告今井は交通取締りを題材に文章を書く職業ライターであり,『月刊交通違反』という名称のミニコミ誌(以下,本件ミニコミ誌という)の編集長である。また平成11年2月20日頃よりインターネット上で公開された『月刊交通違反 on the Web』(以下「本件サイトA」という)の代表者でもある。なお本件サイトAには,本件サイトAの開設当初より『交通取締りに“NO!”といえるBBS<別館>』という名称の掲示板が設けられている。なお『交通取締りに“NO!”といえるBBS<別館>』は平成13年1月26日頃を境にその表示形態が一覧式から親発言に子発言が付随する方式に変更された(以下,平成13年1月26日頃以前の一覧式を「本件掲示板A」,平成13年1月26日頃以降を「本件掲示板B」とする)。〈甲1
 1 請求原因第1(当事者目録)に対する認否

(1) 同1について
被告今井が交通取締りを題材に文章を書く職業ライターであること,『月 刊交通違反』というミニコミ紙を発行していること(なお,『月刊交通違反』はミニコミ「誌」ではないし,同紙は被告今井1人で制作しているものである),『交通取締りに“No!"といえるBBS<別館>』が平成13年1月26日頃を境にその表示形態が一覧式から親発言に子発言が付随する方式に変更されたことは認め,その余は否認する。
2.寺澤有は警察批判を主な題材とするジャーナリストであり,インターネット上で公開されたサイト『The Incidents』の編集長である。〈甲2

3.被告小谷は被告今井より本件サイトAおよび本件掲示板Aならびに本件掲示板Bの運営・管理を委託されていた。〈甲3

(2) 同3について
否認する。

4.被告平野は被告今井とは仕事上での付き合いがあり,本件サイトおよび本件ミニコミ誌に連載を持っている。また本件掲示板Aおよび本件掲示板Bには,被告今井同様にひんぱんな書き込みをしていた。《甲4

(3) 同4について
否認する。

5.原告は本件掲示板Aに平成11年3月から同年7月6日までの期間と,間をおいて平成12年8月28日から平成13年1月26日までに期間,本件掲示板Bに平成13年1月12日より現在に至るまでの期間にゲストとして書き込みをした者である。なお,原告は『PBI/交通行政監察官室』という名称のサイトを平成11年7月1日より非営利目的で運営している。〈甲5

6.和*秀*は『フ*ーウ*イク*ブ』という名称において,首都高速の通行料のうち500円を超過する部分の不払い運動をする団体の代表者であり,同名のサイトおよび『首*都*500*通行掲示板』(以下,「掲示板C」という)を運営している。なお平成13年6月28日現在,ウェブ上で公開されている『首*都*500*通行掲示板』は原告が書き込みをした当時とは異なる表示形式に変更されている。〈甲6

7.黒木昭雄は警察の問題を主題とするジャーナリストであり,平成11年12月1日よりインターネット上に公開された『現場警察官への応援歌』というサイトおよび『警察ご意見板』(以下,「本件掲示板D」という)の代表者である。なお本件掲示板Dは平成12年7月頃より『新・警察ご意見板』(以下,「本件掲示板E」という)移行した。〈甲7
(4) 同5について
原告が平成12年8月28日から平成13年1月26日までの問に本件掲示板 Bに書き込みをしたこと,原告が同年1月26日から本件掲示板に書き込み をしたこと(同年1月12日からではない),原告が原告主張のサイトを運営し ていることは認め,原告が本件掲示板Aに平成11年3月から書き込みをし たとの主張及び原告の主張が非営利目的か否かは不知,その余は否認する。

(5) 同2,同6及び同7について
訴外寺澤有,同和*秀*及び同黒木昭雄は,いずれも本件訴訟の当事者ではなく,認否の要はない。

第2 本件掲示板目録
  • 本件掲示板A:交通取締りに“NO!”といえるBBS<別館>(平成11年2月頃より平成13年1月)
  • 本件掲示板B:交通取締りに“NO!”といえるBBS<別館>(平成13年1月頃より現在に至る)
  • 本件掲示板C:首*都*500*通行掲示板
  • 本件掲示板D:警察ご意見板
  • 本件掲示板E:新・警察ご意見板
  • 本件掲示板F:読者の掲示板(株式会社メディアワークス発行警察の警察による警察のための交通取り締まり)
 
第3 経 緯

1.原告は株式会社メディアワークスが運営する『警察の警察による警察のための交通取り締まり』読者の掲示板(以下,「本件掲示板F」という)に,平成11年2月13日および平成11年3月3日の2度書き込みをした。〈甲8〉 なお被告今井は原告が書き込みをした時期を含めて本件掲示板Fではホスト役を務めている。〈甲9

 2 同第3(経緯)について

(1) 同1について
原告が,株式会社メディアワークスが運営する『警察の警察による警察のための交通取り締まり』読者の掲示板に,平成11年2月13日及びもう1度の2度書き込みをしたことは認め,その余は否認する。
なお,原告は,平成11年3月3日に書き込みをしたと主張して甲8を引用しているが,甲8にあるのは同年3月30日の原告の発言である。

2.被告今井は平成11年2月20日頃本件サイトAおよび付随する本件掲示板Aを開設した。

(2) 同2について
否認する。

3.原告は平成11年3月から同年7月6日までの期間と,間をおいて平成12年8月28日から本件サイトAの掲示板<別館>が本件掲示板Bに移行する平成13年1月26日頃までの期間にゲストとして書き込みをした。〈甲10甲11の1〜甲11の7

(3) 同3について
原告が平成12年8月28日から本件サイトAの掲示板<別館>が本件掲示板Bに移行する平成13年1月26日頃までの期間に書き込みをしたことは認め,原告が平成11年3月から同年7月6日までの期問に書き込みをしたことは不知(なお,原告は甲10を引用するが,そこに記録されている原告の発言は同年7月6日のものだけである。),その余は否認する。

4.原告は平成11年7月に,和*秀*の本件掲示板Cに書き込みをした。〈甲12甲16

(4) 同4について
不知。原告は,甲12及び甲16を引用するが,原告主張に対応していると は言い難い。

5.原告は平成12年4月頃より黒木昭雄の本件掲示板Dに書き込みを始めた。なお被告今井も本件掲示板Dには積極的な書き込みをしていた。〈甲14甲16

(5) 同5について
被告今井が本件掲示板D書き込みをしたことがあることは認め,原告が平成12年4月頃より黒木昭雄の本件掲示板Dに書き込みを始めたことは不知,その余は否認する。
6.原告は本件掲示板Dにおいて平成12年ハンドルネームを“initial_P”に変えることを宣言した。なおそれまで原告は本件掲示板Aおよび本件掲示板Cおよび本件掲示板Fにおいて実名で発言していた。《甲14
後に原告は,本件掲示板Dにおいて不本意ながら発言するときは“Initial_P”というハンドルネームとすることを宣言し、平成12年8月28日に本件掲示板Bに議論の場所が移行した後の全ての発言を“Initial_P”とした。
また原告は,平成12年8月30日に個人情報を公開し,本件掲示板Aおよび本件掲示板Bにおいても個人情報のURLを示した。《甲11の1》〈甲34

(6) 同6について
原告が本件掲示板Dにおいてハンドルネームを“initialP"に変えることを宣言したこと,原告が件掲示板Fにおいて実名で発言していたこと,平成12年8月28日に本件掲示板Bに議論の場所が移行した後の全ての発言を“InitialP”としたこと,原告が個人情報を公開し,本件掲示板Aおよび本件掲示板Bにおいて個人情報のURLを示していたことはそれぞれ認め,その余は不知。

7.平成12年7月26日,黒木昭雄の本件掲示板Eにおいて,原告が被告今井に意見した。〈甲15の2

(7) 同7について
平成12年7月26日,黒木昭雄の本件掲示板Eにおいて,原告が被告今井の発言に対するコメントを書き込んだことは認め,その余は不知。

8.被告今井のシンパで“Mr.K”というハンドルネームの者が原告に反論し、それに対し原告は意見を続けた。〈甲15の3甲15の4
(8) 同8について
不知。なお,原告は,“Mr.K"というハンドルネームの者が「被告今井のシンパ」と主張しているが,その意味及び根拠は全く不明であるから明らかにされたい。

9.本件掲示板Eにおいて,論点を明示した原告と,「ワケわからん」を連発した被告今井

(9) 同9について

(1)被告今井は,議論には関係のない本件掲示板Aでの過去のことを持ち出して,原告を批判した。〈甲15の6甲15の9

ア 同(1)について
被告今井が,本件掲示板Aで,甲15の6及び甲15の9の発言をしたこ とは認め,その余は否認する。

(2)原告は,被告の質問に答え〈甲15の7〉,本件掲示板Eが泥試合の舞台にならないための方策を提案し〈甲15の8〉,議論の方法に意見し〈甲15の11〉,さらに論点を明示した。〈甲15の20甲15の13

イ 同(2)について
原告が甲15の7,甲15の8,甲15の11,甲15の20及び甲15の13 の各発言をしたことは認め,その余は否認する。

(3)被告今井は原告に対して議論に関係のない過去のことを材料にして,原告を嘲笑することを続けた。〈甲15の16

ウ 同(3)について
否認する。なお,原告が引用する甲15の16は,実際の被告今井の発言 が改ざんされたものである(乙1の1,2)。

10.被告今井のシンパである“siwales”というハンドルネームの者は,議論を本件掲示板A(被告今井の掲示板)で行うことを主張した。〈甲15の18

(10) 同(10)について
否認する。なお,原告は“Siwales"というハンドルネームの者が「被告今井 のシンパ」と主張しているが,その意味及び根拠は全く不明であるから明ら かにされたい。

11.被告今井のシンパである“siwales”というハンドルネームの者で挑発的な書き込みが,“和気愛愛”というハンドルネームの者の感情的な発言を呼び,本件掲示板Eは混乱していった。〈甲15の21甲15の22甲15の23甲15の24

(11) 同(11)について
甲15の21,甲15の22,甲15の23及び甲15の24の各発言がなされたことは認めるが,その余は否認する。

12.平成12年8月28日午前1時32分,原告は本件掲示板Eの混乱を治めるための発言を本件掲示板Eおよび本件掲示板Aの双方に書き込んだ。〈甲15の1

(12) 同(12)について
原告が本件掲示板Eに甲15の1の発言をしたことは認めるが(原告は本件掲示板Aにも書き込んだと主張しているが,甲15の1にはその記録は存在しない。),その余は否認する。

13.平成12年8月28日中に本件掲示板Eは閉鎖された。

(13) 同(13)について
認める。但し,正確には「休止」であった。

14.平成12年9月12日,原告は本件掲示板Aに書き込みをすることになった原因を明示する《甲11の1》が,被告今井は「思い込み」「捏造」「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」などの侮蔑的表現で原告の中傷をした。(別紙1.被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表)《甲11の1甲11の2

(14) 同(14)について
原告が平成12年9月12日に発言していること,被告今井の発言中に「思い込み」「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」という表現を使用したことは認めるが,その余は否認する。

15.本件掲示板Aにおいて,被告今井が(原告を中傷しながらも)原告の発言を黙殺するようになった過程

(15) 同(15)について
ア 表題について
被告今井が原告を中傷したことは否認し,その余は認める。

(1)被告今井は「3つのシンプルな点」について原告に返答を求めた。《甲11の1甲11の1甲11の1甲11の1甲11の1甲11の1

イ 同(1)について
認める。なお,全て甲11の1として引用されているが,引用された各 文書は異なっている。

(2)平成12年9月12日,原告は,被告今井が再三求めていた「3つのシンプルな点」のひとつに答えるとともに,被告今井の主張する「憲法第12条前段」への疑問に対する返答を,被告今井に再度求めた。《甲11の2

ウ 同(2)について
原告が,被告今井の「3つのシンプルな点」の1つについてコメントを したこと及び被告今井に返答を求めたことは認め,その余は否認する。

(3)平成12年9月15日,被告今井は,原告が回答した「3つのシンプルな点」のひとつに対して,「結論」というタイトルでの書き込みで完結する書き込みをした。《甲11の2甲11の2甲11の2

エ 同(3)について
被告今井が,甲11の2として引用されている3つの発言をしたことは 認めるが,その余は否認する。なお,全て甲11の2として引用されてい るが,引用された各文書は異なっており,その表題に「結論」という用語 は使用されていない。

(4)平成12年9月16日,被告今井は原告が指摘する「憲法第12条前段」についても反論する。《甲11の2

オ 同(4)について
認める。

(5)平成12年9月20日,原告は『今井亮一さんへ』というタイトルで,被告今井が主張する「憲法第12条前段」の解釈についての問題点を指摘した。《甲11の2

カ 同(5)について
原告が甲11の2の発言をしたことは認めるが,その余は不知。

(6)平成12年9月21日,被告今井はそれまでの原告に対する積極的な書き込みの姿勢から一転して,「掲示板を読んでいない」と書き込みを行った。《甲11の2

キ 同(6)について
否認する。なお,引用されている甲11の2の被告今井の発言の大部分 は省略(削除)されており,不正確である。

(7)被告今井は,平成11年9月21日における発言以降,原告の発言を黙殺しながらも,「思い込み」「妄想」「つきまとい」「(被告今井を)貶めようとしているだけ」等の表現と,議論に関係のない過去のことを持ち出すことによって,原告の中傷を続けた。(別紙1.被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表)〈甲11の3甲11の4甲11の5

ク 同(7)について
被告今井が,発言中で「思い込み」「妄想」「つきまとい」との表現を用いたことは認めるが,その余は否認する。

(8)原告は,被告今井が原告の発言を黙殺することを受け入れて次の発言を書き込んだ。
    • 平成12年9月21日,自分の正義を信じて疑わない者たち 〜その1〜 《甲11−2
    • 平成12年9月24日,自分の正義を信じて疑わない者たち 〜その2〜 《甲11−3
    • 平成12年9月27日,自分の正義を信じて疑わない者たち 〜その3〜 《甲11−3
    • 平成12年11月4日,自分の正義を信じて疑わない者たち 〜ケーススタディ〜 《甲11−3
ケ 同(8)について
原告が甲11の2及び甲11の3(全て甲11の3として引用されている が,引用された各文書は異なっている)の各発言をしたことは認め,その 余は不知。

(9)平成11月 7日(火)05時01分58秒,被告今井は『\(^o^)/ver.ねおあふーさんへ』というタイトルでの書き込みのなかで,それまで執拗に求めていた「3つのシンプルな点」について,「(原告に)返答を求めるのはヤメている」と書き込んだ、《甲11−3
サ 同(9)について
被告今井が,原告主張の発言をしたことは認めるが,その余は否認する。
なお,被告今井は,「『3つのシンプルな点』の残り2つはどうなったか?私のほうとしては,『現在では皆無……』の件でもう十分に用が足りたので,返答を求めるのはヤメてます。」と記載している。

16.平成12年11月13日,被告今井は,原告との議論に関係のない原告の過去の発言を解説すると宣言した。《甲11−3

(16) 同(16)について
被告今井が,平成12年11月13日に,甲11の3として引用されている発 言をしたことは認め,その余は否認する。

17.平成12年11月25日,被告今井は,原告を「思い込み(妄想)にもとづく単なる誹謗中傷」「アホらしい投稿」「執拗なつきまとい」をしていると宣言し,議論に関係のない過去のことを「解説板」にすることを示した。《甲11−4

(17) 同(17)について
被告今井が,その華言中に「思い込み(妄想)にもとづく単なる誹諺中傷」 「アホらしい投稿」「執勘なつきまとい」との表現は用いたことは認め,そ の余は否認する。

18.平成12年11月26日,原告は被告今井に議論に関係のない過去のことを持ち出すのを遠慮するように申し入れたが,被告今井はこれを黙殺した。《甲11の4

(18) 同(18)について
原告が,甲11-4として引用された発言をしたことは認め,その余は否認 する。

19.平成12年12月8日,被告今井は平成11年2月に本件掲示板Fに書き込まれたことを持ち出し,その原告発言を嘲笑した。《甲11の5

(19) 同(19)について
被告今井が,甲11の4として引用された発言をしたことは認め,その余 は否認する。

   
20.平成12年12月10日,原告は掲示板を混乱させないために,議論に関係のない過去のことを持ち出すのを遠慮するように被告今井に申し入れたが,被告今井はこれを黙殺した。《甲11の5

(20) 同(20)について
原告が,甲11の5として引用された発言をしたことは認め,その余は否認する。
21.平成12年12月14日,被告今井の質問に答える意味も含めて,原告は論点を明示した。《甲11の5甲11の5甲11の5甲11の5甲11の5

(21)同(21)について
原告が甲11の5として引用された発言をしたことは認め,その余は否認 する。
なお,甲11の5として引用されているが,引用された各文書は異なっている。

22.平成12年12月16日,被告今井は原告の提示した論点を黙殺して,議論に関係のない本件掲示板Aに原告が書き込んだ平成11年6月頃の発言を断片的に引用し,これを嘲笑した。《甲11の5

(22)同(22)について
被告今井が甲11の5として引用されている発言をしたことは認め,その余 は否認する。

23.平成12年12月17日,原告は議論に関係のない過去のことを持ち出すのを遠慮するように被告今井に申し入れたが,被告今井はこれを黙殺した。《甲11の5

(23)同(23)について
被告今井が甲11の5として引用されている発言をしたことは認め,その余 は否認する。

24.被告今井の論点
   
(24)同(24)について

(1)平成13年1月15日から同年1月16日にかけて,被告今井は平成11年6月に本件掲示板Aに原告が書き込んだ内容を大量に引用し,これらを嘲笑した。《甲11の7甲11の7

ア 同(1)について
被告今井が甲11の7として引用されている発言をしたことは認め,そ の余は否認する。
なお,甲11の7として引用されているが,引用された各文書は異なっ ている。

(2)なおこの頃の被告今井は原告の意見に対して「は? そっ、そうですか……。」を多用した。《甲11の7甲11の7甲11の7

イ 同(2)について」
被告今井は,甲11の7として引用されている発言をし,そのうち2つ の発言に「は?そっ,そうですか・…・・」という文言が含まれていることは認めるが,その余は否認する。
なお,甲11の7として引用されているが,引用された各文書は異なっている。

25.平成13年1月26日頃に被告今井と被告小谷は,本件サイトAの掲示板『交通取り締まりに“NO!”といえるBBS<別館>』を本件掲示板Aより本件掲示板Bに移行した。

(25)同(25)について
平成13年1月26日頃,『交通取締りに“No!"といえるBBS<別館>』が本件掲示板Aから同Bに移行したことは認め,その余は否認する。

26.本件掲示板Bにおいても被告今井および被告平野は品位を欠いた表現によって原告を中傷した。(別紙1.被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表

(26)同(26)について
否認ないし争う。

27.原告が何度か「裁判ゲーム」の意味を提示していたにもかかわらず〈甲15の8甲11の3〉,平成13年4月13日,被告今井は「妄想法廷とでもいうものを持ち込んで、まあ暴れているわけですね。」と発言して原告を批判した。〈甲21

(27)同(27)について
原告が甲15の8及び甲11の8として引用された各発言をしたこと,平成 13年4月13日に被告今井が甲21として引用された発言をしたこと及び同 発言中に「妄想法廷とでもいうものを持ち込んで,まあ暴れているわけです ね。」との表現が含まれていることは認め,その余は否認する。

28.平成13年4月24日,原告は被告今井の書き込み〈甲21〉に対して、被告今井の誹謗中傷および人格権の侵害に対して警告を行った。〈甲22の1甲22の2甲22の3甲22の4甲22の5甲22の6甲22の7甲22の8甲22の9

(28)同(28)について
原告が,甲22の1ないし同9の各発言を行ったことは認めるが,その余は否認する。被告今井は原告に対する誹誇中傷及び人格権の侵害はしていない。

29.平成13年4月29日,原告は被告平野の発言に警告した。〈甲23

(29)同(29)について
原告が甲23として引用されている発言において「警告」と題して発言したことは認める。

30.平成13年5月14日,原告は被告今井および被告平野に対して民事訴訟を通知した。〈甲25

(30)同(30)について
原告が甲25として引用されている発言をしたことは認め,その余は不知。

31.平成13年5月20日,原告は本件掲示板Bの管理者である被告小谷に警告した〈甲24〉が、被告小谷は無反応であった。

(31) 同(31)について
原告が甲24として引用されている発言をしたことは認め,被告小谷が何もコメントをしていないことは認める。

32.平成13年6月1日から同年6月6日にかけて, 被告小谷の管理者責任について原告は問い掛けたが,被告小谷は無反応であった。 〈甲26の1甲26の2甲26の3

(32) 同(32)について
(原告が甲26の1ないし同3として引用されている各発言をしたことは認め,被告小谷が何もコメントをしていないことは認める。

33.平成13年7月1日,被告今井は議論に関係のないことを持ち出し、原告を中傷した。〈甲19の1甲19の2甲19の3甲19の4〉 (別紙1.被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表

(33) 同(33)について
被告今井が甲19の1ないし同4として引用された各発言をしたことは認め,その余は否認する。

34.被告今井は,品位のない表現による原告批判を繰り返した。被告今井の言動は,興味本位な原告批判を惹起させる効果を意図していたといわざるを得ない。こうした被告今井の“すり込み”によって,一部の閲覧者は被告今井と同様に原告の名誉を毀損する書き込みを行った。

(34) 同(34)についてア前文について
否認ないし争う。

(1)原告に対して「頭のおかしい人」「ストーカー」「つきまとい」を連発する被告今井の“すり込み”に便乗した発言が本件掲示板Bに溢れるなかに,鈴太郎というハンドルネームで原告批判を続ける者がいた。〈甲29

イ 同(1)について
「鈴太郎」というハンドルネームの者が甲29として引用された発言をしていることは認め,その余は否認する。

(2)平成13年7月3日,タイトルに「アホ」「無秩序」等の表現を用いた次の4発言について,被告小谷に対しては内容証明郵便で,本件掲示板Bのサービス提供者である*藤氏に対しては電子メールおよび本件掲示板への書き込みで,原告は削除の依頼をした。〈甲30甲31の1甲31の2

    • 1.[1628] イニP・リテラシー <アホのケースの勉強>
    • 2.[1657] イニP・リテラシー <無秩序なアタマについて>
    • 3.[1678] イニP・リテラシー <アナタの耳に念仏>
    • 4.[1730] 正気に戻ってくれぇぇ。イニPぃぃさん。
ウ 同(2)について
原告が被告小谷に対して内容証明郵便で削除の依頼をしたことは不知(なお,被告小谷はそのような内容証明郵便は受領していない。),その余は不知。

(3)本件掲示板Bのサービス提供者である*藤氏は,原告とのメールでのやりとりの末,“鈴太郎”というハンドルネームで書かれた上記4発言を削除した。

エ 同(3)について
訴外*藤が4発言を削除したことは認め,その余は不知。

(4)被告小谷は原告の削除依頼に対して,何の反応もなかった。

オ 同(4)について
被告小谷が何の対応もしなかったことは認める。


(5)被告今井は,本件掲示板Bのサービス提供者である*藤氏が削除した上記4発言を復活させた。〈甲32

カ 同(5)について
認める。

35.平成13年7月24日,被告今井は議論に関係のないことを持ち出し、原告を中傷した。《甲36の15》(別紙1.被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表

(35)同(35)について
否認ないし争う。

36.以上に経過のとおり、原告は被告らの悪質な名誉毀損発言に原告が耐えながら解決の道を模索するが,被告らは悪ノリするばかりであった。よって原告は法的な対応を求めることを決意し、被告らに請求の趣旨記載の行為を求めて本訴を提起した次第である。

(36)同(36)について
被告らが悪ノリしたとの点は否認し,その余は不知。

第4 原告が明示した議論の目的と,被告らの対応について

1.原告は道路交通行政全般を題材とした『PBI/交通行政監察官室』という名称のサイトを非営利目的での運営している。同サイトは,行政のさまざまな問題を分析し,それを公開することによって,社会問題に対する興味とその結果としての行政への民主的コントロールを期待しようとするものである。〈甲5

 3 同第4(原告が明示した議論の目的と,被告らの対応)について

(1) 同(1)は不知。

2.平成11年3月から同年7月6日までの期間に本件掲示板Aに書き込みをしたのは,意見をぶつけあうことによって相手も自分自身も刺激を受け,学び合うことができると信じていたからであった。しかし被告今井とは根本的な考え方が違うと感じた原告は2度と本件掲示板Aには書き込みはしないと心に決めた。〈甲12

(2) 同(2)は不知。

3.本件掲示板Eで被告今井に意見する気になったのは,被告今井の発言が本件サイトAでの陰卑な警察批判と比較すると一貫性が感じられなかったからである。そして原告の批判を受けた被告今井には,原告に対して正面から議論しようとする姿勢がみられず、ひたすら過去のことを持ち出して中傷するばかりであった。〈甲15の1〜24

(3) 同(3)のうち,被告今井が,ひたすら過去のことを持ち出して原告を中傷したとの点は否認し,その余は不知。

4.被告今井が過去のことばかりを持ち出すことは,多くの閲覧者に興味のないことが論点となってしまう。原告はそれを防止するための方策を提案した。〈甲15の8

(4) 同(4)のうち,原告が甲15の8で引用された発言をしたことは認め,その 余は不知。

5.本件掲示板Eが被告今井のシンパの感情的発言によって閉鎖の危機が明白となったときに,原告は議論を本件掲示板Aに持ち込むことを宣言し,本件掲示板Aにおいて書き込みを始めた直後に次の3点を提示した。正常な議論を期待できない被告今井に対して,本件掲示板Aの閲覧者にとっても少しでも有益な材料を提供したいと原告が考えたからである。

 原告はこの3点をしばしば本件掲示板Aおよび本件掲示板Bに提示した。
1.保身のために知らぬ存ぜぬで済まそうとする弱さは誰にでもある。
2.知らぬ存ぜぬで泣き寝入りさせられない為には大きな労力を必要とする。
3.相手が権力者であればあるほど2.の苦労は大きい

(1)平成12年9月6日,タイトル:松本サリン事件 《甲11の1

(2)平成12年11月26日,タイトル:RE>P問題の対応 《甲11の4

(3)平成12年12月14日,タイトル:今井亮一さんへ 《甲11の5

(4)平成13年1月8日,タイトル:Initial_Pの“P”はパブリックのP 〜その1〜 《甲11の6

(5)平成13年4月29日,タイトル:今井さんにとっての『言論の自由』とは? 《甲36の3

(6)平成13年6月9日,タイトル:大樹の陰 《甲36の10

(5) 同(5)のうち,原告主張の3点を提示していたことは認めるが,その余は 不知。

6.原告は論点を明確にしようと努力した。

(1)平成12年9月12日 タイトル:掲示板の流れに合わせて 《甲11−1

(2)平成12年11月9日,タイトル:主なき議論 《甲11−3

(3)平成12年11月28日,タイトル: メディア(ジャーナリスト)の責任 《甲11−4

(4)平成12年12月4日,タイトル:ハイキック 〜その1〜 《甲11の5

(5)平成12年12月4日,タイトル:ハイキック〜その2〜 《甲11の5

(6)平成12年12月4日,タイトル:ハイキック〜その3〜 《甲11の5

(7)平成12年12月4日,タイトル:ハイキック〜その4〜 《甲11の5

7.原告は「反論にもルールあり」に代表されるタイトルで,掲示板における議論の方法についても問題提起をした。

(1)平成12年9月12日,タイトル:反論にもルールあり  《甲11の1

(2)平成12年10月3日,タイトル:反論にもルールあり 〜その2〜 《甲11の3

(3)平成12年10月5日,タイトル:反論にもルールあり 〜その3〜 《甲11の3

(4)平成12年11月12日,タイトル: Initial_Pがこの掲示板にいる理由 《甲11−3

8.また原告は「自分の正義を信じて疑わない者たち」に代表されるタイトルで,正義の本質を問いかけようとした。

(1)平成12年9月21日,タイトル:自分の正義を信じて疑わない者たち 《甲11−2

(2)平成12年9月24日,タイトル: 自分の正義を信じて疑わない者たち 〜その2〜 《甲11−3
(3)平成12年9月27日,タイトル: 自分の正義を信じて疑わない者たち 〜その3〜 《甲11−3

(4)平成12年12月2日,タイトル: 日本人は他人の問題を自分の(社会の)問題として捉えることが得意? 《甲11−4

(6) 同(6)ないし同(8)のうち,原告が原告引用の各発言をしたことは認め,そ の余は不知。

9.原告に対する被告今井と被告平野の対応

(1)被告今井と被告平野は,掲示板上での“掛け合い発言”によって掲示板をコントロールしようとした。《甲11の2甲11の2甲11−4甲11の4甲11の4甲18の11

(2)被告今井は,原告を黙殺しながら閲覧者への「お願い」を多用した。
  • 平成12年9月14日,タイトル:みなさんへお願い  《甲11の2
  • 平成12年12月3日,タイトル:また「みなさんへお願い」 《甲11の4
  • 平成12年12月5日,タイトル:みなさんへお願い  《甲11の4
(7) 同(9)のうち,いずれも,被告今井及び被告平野が,原告引用の各発言を したことは認め,その余は否認する。

10.結局,被告今井は原告と議論らしい議論をすることなく,本件掲示板Bに移行した後も議論に関係のない過去のことを論点とするばかりであった。そして被告今井は,本件訴訟にいたる直前の平成13年7月1日および同年同月7月23日にも,議論に関係のない過去のことを持ち出し,原告を中傷した。〈甲19の1甲19の2甲19の3甲19の5

(8) 同(10)のうち,被告今井が,原告引用の各発言をしたことは認めるが,そ の余は否認する。

第5 責任原因

1.被告今井は,本件掲示板に,「別紙発言の名誉毀損部分一覧表」の各名誉毀損部分を含む文章を書き込み,原告の人格権を侵害し,また名誉を毀損させ精神的苦痛を与えた。また被告今井は,(活動内容によって)自ら標榜する“ジャーナリスト”という肩書きがもたらす発言の影響力を濫用し,品位のない表現による原告批判を繰り返した。これは被告今井が閲覧者の興味本位な原告批判を惹起させる効果を意図しているといわざるを得ない。つまり被告今井は知名度を後ろ盾にして,原告が「思い込み」「捏造」「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」であるかのような“すり込み”を閲覧者に謀ったといえる。

2.被告平野は,本件掲示板に,「別紙発言の名誉毀損部分一覧表」の各名誉毀損部分を含む文章を書き込み,原告の名誉を毀損した。また被告今井と被告平野は“掛け合い発言”を行うなど,被告今井の原告批判に密接にかかわっており、民法上の共同不法行為が成立すると解される。

3.被告小谷は,本件サイトAおよび本件掲示板Aおよび本件掲示板Bの管理人として,書き込まれた発言が他人の名誉を毀損しないかを常時監視し,そのような発言が書き込まれた場合には,これを削除したり,発言を書き込んだ者に指導するなどし,その後さらに他人の名誉を毀損する発言を書き込むことを止めさせ,これによる損害の発生,拡大を防止すべき義務があったにも関わらずこれを怠り,被告今井および被告平野の各発言によって原告の名誉が毀損されるのを放置した。したがって被告小谷には民法上の共同不法行為が成立すると解される。

 4 同第5(責任原因)について

いずれも争う。


第6 慰謝料

被告今井および被告平野の本件各発言の内容は「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」に始まり,それが「ストーカー」「低脳」等が加わり、さらには「頭がおかしい」「病院がカバーできないタイプの異常者」「心を病んだ人」「イカレた人」「「狂人」にまでエスカレートしていった。その一つ一つが極めて悪質であること,継続,反復して書き込まれていること,さらに被告今井の知名度を後ろ盾にした原告批判によって惹起された閲覧者らによる原告を中傷する発言がおびただしい数であること等を照らすと、原告が被った精神的損害は甚大であったといえる。よって原告に生じた損害に対する慰謝料は,400万円が相当である。

 5 同第6(慰謝料)について

争う。

第7 謝罪

原告は建設的な議論をするためにさまざまな努力をしたのに対して,被告今井は,原告が精神異常者であることや,原告の被告今井に対する妬みを閲覧者に感覚的にすり込む表現を多用している。これは,(被告今井が活動内容によって)標榜する“ジャーナリスト”という肩書きがもたらす発言の影響力を濫用した独善的行為であるといえる。それでも正常な議論を望み努力を続けた原告に対して,被告らは原告の人格をも否定する表現をエスカレートさせていった。したがって別紙2.に記載の方法での謝罪は,原告の名誉を回復させるためには不可欠である。なお,訴訟目的としての謝罪の価額は100万円が妥当である。

 6 同第7(謝罪)について

争う。
なお,「訴訟目的としての謝罪の価額は100万円が妥当である」との趣旨は不明である。

第8 結論

よって,慰謝料400万円,謝罪の価額100万円を合算した500万円を訴訟物の価額とする。なお慰謝料400万円については訴状送達の翌日から支払済までに至るまで年5分の割合による遅延損害金を加えるものとする。

 7 同第8(結論)について

争う。

   
第2 被告らの主張

追って提出する。

 
第11 確認済み事項

1.平成12年5月14日,原告は被告今井と被告平野に対して合意管轄裁判所を指定するように求めた。《甲第36号証の5

2.平成12年5月15日,被告今井は東京地方裁判所を合意管轄裁判所とすることを原告に求めた。《甲第36号証の5

 
第10 予想される争点

被告らは別紙1.に記載した被告らの各発言が名誉毀損ではないと主張すると予想される。なお、本件掲示板Aおよび本件掲示板Bにおいて,被告今井はひんぱんに,平成11年3月頃より同年7月頃までの本件掲示板Aにおける原告発言を引用して,「ワケわからん」「メチャメチャ」「妄想」「つきまとい」と表現しており,本件訴訟においても別紙1.に記載された各発言が名誉毀損ではないことを主張する材料として,平成11年3月頃より同年7月頃までの本件掲示板Aにおける原告発言を引用するものと思われる。

 
 

証 拠 方 法

1.関係者の行為(本件各掲示板における発言)を示す原本

本件事件はインターネット上の掲示板で行われたことであり,本件掲示板Aより本件掲示板F至るまでの関係者の行為は,それぞれの掲示板を運営する事業者のサーバーに発言を書き込むことにある。つまりそれぞれのサーバーの記録媒体上に書き込まれた電子記録がその行為を示す書証の「原本」である。よって原告が提出する書証は原本をできるだけ忠実に写すために電子記録のままコンパクトディスク(CD)に収め,これを「写し」とする。

2.関係者の職業およびインターネット上における関係者の活動

甲1甲2甲5甲6甲7甲37についても原本はそれぞれがインターネット上に公開する目的で設置されたサーバーに記録されているデータが原本である。したがってこの原本をできるだけ忠実に写すために電子記録のままコンパクトディスク(CD)に収めこれを「写し」とする。
5.書証一覧における記述についての捕捉

(1)発言写し:原本である本件掲示板Bの電子記録の写し(コピー)。
甲3甲9甲18の1〜11甲19の1〜5甲21甲22の1〜9甲23甲24甲25甲26の1〜3甲27甲28の1〜8甲29甲30甲32甲33の1〜6甲34甲35甲36の1〜15
ただし,一覧表示である甲36の1〜15に限っては,写しとしてのコンピュータで表示させる際の便宜を図るためにタイトルへのリンクにのみ変更を加えた。

(2)発言記録:原告がインターネット上からコピーした当事者らの発言をまとめた電子記録である。
甲4甲10甲11の1〜7甲13甲15の1〜24甲16甲17
これら「発言記録」は,原告が契約している事業者のサーバーに記録させ,誰もが閲覧できるようにした上で,本件掲示板Aまたは本件掲示板Bにて,その電子記録のインターネットで閲覧するためのアドレス(URL)を告知している(告知方法は書証一覧に記載)。つまり被告らは当該発言記録に誤り等があれば,それを指摘できる状態にあったといえる。したがって「発言記録」の原本は,原告が契約する事業者のサーバーに書き込まれた電子記録である。
なお甲第11号証の1〜7における発言記録については,甲第20号証の1〜10がその証拠能力を補完する。

(3)発言控え:
「発言控え」とは原告がインターネット上のサーバーに書き込みをするときに,自宅のコンピューターのハードディスクに控えた電子記録である。「発言記録」と同様に,原告が契約している事業者のサーバーに書き込まれ誰もが閲覧できるようにした上で本件掲示板Aおよび本件掲示板BにてURLを告知している。つまり被告らは当該発言記録に誤りがあればそれを指摘できる状態にあったといえる。したがって原告が契約する事業者のサーバーに書き込まれた「発言控え」の原本とする。

(4)原本URL:原本である電子記録をインターネット上で閲覧するときのアドレス(URL)を示す。

(5)告知:告知をした日付および告知場所を示す。

(6)甲31は,原告が被告小谷へ送付した“内容証明書のスキャン・データ”である。原告はこれを原告が契約している事業者のサーバーに記録させ,誰もが閲覧できるようにした上で,本件掲示板Bにて,その電子記録をインターネットで閲覧するためのアドレス(URL)を告知した。《甲第36号証の17甲第36号証の16》 したがって“インターネット上に公開された被告小谷宛の内容証明書のスキャン・データ”の原本は,原告が契約する事業者のサーバーに書き込まれた電子記録である。

 
 

書証一覧につづく