以下の発言は黒木昭雄氏のサイト現場警察官への応援歌『新・警察ご意見板』への投稿として
今井亮一氏が裁判所に提出したものを元の形式に再現したものです。


投稿時間:00/07/25(Tue)23:53
投稿者名:今井亮一
Eメール:r-chang@fb3.so-net.ne.jp
URL :http://www.geocithies.co.jp/MotorCity.1103/
タイトル:裏ガネの構造:組織と個人

 警視庁赤坂署の「参考人費用カラ支給」について裁判(カラ支給したカネを東京都に返せという住民訴訟。1997年10月、被告らの「認諾」により勝訴)の原告だった私から、組織と個人のことについてちょっと見解を。

 あの裁判では、カラ支給に関わった(もしくは責任ある立場にあった)警察官ら7人を被告としました。つーか、弁護士によると、警察官個人を被告にせざるを得ないとのことでした。
 私としては、個人(とくに末端の個人)を被告にすることには心が痛みました。組織として日常的に行っているに違いない不正支出について、もしも自分がそれに関わらざるを得ない立場の警察官だったら、「イヤだなあ」と思いつつ手を染めている警察官も少なからずぐるでしょう。
 しかし、だからといって許されることではないし、せっかく動かぬ証拠がある事件を眠らせては、「自浄はムリだ。せめて外郡から風を吹かせてくれ」と苦しんでいるだろう警察官たちを裏切ることになります。
 加えて、裁判の前の東京都に対する監査請求、これを却下する理由が、あまりにも人(都民を)をバカにしたものでした。ムカ〜ツときました。
 そこで、ああいう形の裁判の原告になったわけです。
 そのあたりのことは、記者会見でも述べましたし、法廷で「原告陳述書」として朗読、提出もしました。のちに『おまわりさんは税金ドロボウ』(オルタブックス)でも詳述しました。

 参考人費用をカラ支給させるためウソの「呼出簿」を書いた警察官、ニセの領収書の作成に手を貸した警察官、上司から指示されて違反点数を抹消した警察官……。たしかにそれらは、やっちゃイカンことです。「オレはヤラン!」と言えぱなくなる不正です。
 しかし、それが自由に言える組織であれば、不正などとっくにないんじゃないですか。言えない組織がガッチリ構築されているからこそ、裏ガネは「骨がらみ」(小林道雄著『目本警察の現在』より)になるわけでしょ。

 自分が相手の立場におかれたときどれだけ勇気をふるえるのかを考えず(あるいはおかれることなどないのを前提に勇ましく?)、現場の(末端の)警察官を責めるのは、組織の腐敗を擁護し、現場と国民を不要に敵対させるだけなんじゃないか……。

 まあ、組織内部の方からすれば、ちょっと見当違いの部分もあるかもしれませんが、私はそういうふうな考えです。

 


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★ - 裏ガネの構造:組織と個人 - 今井亮一 00/07/25(Tue) 23:53 No.93