各国のスピード規制は、自動車専用道路・一般道路(郊外)・市街道路、この3つに分類される。
注1) 日本でいう「普通乗用車」に対する規制を比較した。
注2) 住宅街には、別の規制があると考えてください。 規制速度の高いからといって、 生活道路の規制速度も高くなっている訳ではありません。
注3) ドライバーの行動を反映した規制は守られる。
関越道,東北道のように、100キロ規制なのに120~130キロで流れているからといって、 規制速度を120キロにしたら、流れが140~150キロになるとは限りません。 |
道路種別⇒ | 自動車専用道路 | 一般道路(郊外) | 市街道路 |
ドイツ | 制限なし(推奨130km/h) (規制された区間もある) |
100km/h | 50Km/h |
フランス | 130km/h(雨なら110km/h) | 90km/h(片側2車線なら110km/h) | 50Km/h |
イタリア | 130km/h | 90km/h | 50Km/h |
スペイン | 120km/h | 80~100km/h | 50~60km/h |
スイス | 120km/h | 80km/h | 50km/h |
オランダ | 120km/h | 80km/h | 50km/h |
ポルトガル | 120km/h | 90km/h | 50km/h |
イギリス | 112Km/h (70MPH) | 96Km/h (60MPH) | 48km/h (30MPH) |
日 本 | 80km/h( 一般有料道路) 100km/h (高速道路) |
50km/h(片側2車線なら60km/h) ※北海道の原野をつらぬく一直線の道路でさえ、 信号のない区間が数キロ続かない限り、 片側1車線の道路は50キロ規制とされている |
40km/h (片側2車線なら50km/h) |
アメリカでの速度規制は、州ごとに定められている。 規制の権限は、各州のDOT(交通省)にあり、州DOTの決めた規制に基づいて地域警察が取締りをおこなう。 |
[アメリカ各州の Department of Transportation (DOT) 一覧] Alabama | Alaska | Arizona | AZ | Arkansas | California | Colorado | Connecticut | Delaware | Florida Georgia | Hawaii | Idaho | Illinois | Indiana | Iowa | Kansas | Kentucky | Louisiana | Maine | Maryland Massachusetts | Michigan | Minnesota | Missouri | Montana | Nebraska | Nevada | New Hampshire New Jersey | New Mexico | New York State | North Carolina | North Dakota | Ohio | Oklahoma | Oregon Pennsylvania | Puerto Rico | Rhode Island | South Carolina | South dakota | Tennessee | Texas | Utah Vermont | Virginia | Washington | West Virginia | Wisconsin | Wyoming |
一般道路では55MPH(約90km/h)がほとんどだ。 ※参考までにミッドウエスト地区の一覧(ミネソタDOT)
なお、アメリカの自動車専用道路は特殊な道路を除いてすべてが無料だ。また一般道路との垣根も低く、「いつも間にかハイウェイを走っていた」という感じなので、道路種別毎の規制を日本やヨーロッパと同レベルで比較すべきではないだろう。※念のために各州のスピード規制一覧(IIHS)
規制の数値はともかく、アメリカにはニッポンのような「取締りによって警察が潤うシステム」がないので、取締りは適正なレベル(ドライバーの納得いくレベル)に落ち着いているようである。 |
ニッポンの「取締りによって警察が潤うシステム」については、反則金のゆくえで触れたとおり、“規制権”と“取締り権”の両方を警察が握っていることに要約することができる。 ニッポン警察は、さらに“運転免許に関する権限”までも手の内にあるために、その権限は世界に類をみないほど絶大だ。 このように絶大な権限を持つニッポン警察に対し、アメリカの警察は、規制権も、自動車運転免許に関する権限も持っていない。 運転免許(licence)はDMVで、交通規制(regulation)はDOTの所管にある。警察は取締り(enforcement)だけなのだ。 |