ITSの分類
■ナビゲーションの高度化
■自動料金収受システム
■安全運転の支援
■交通管理の最適化
■道路管理の効率化
■公共交通の支援
■商用車の効率化
■歩行者等の支援
■緊急車両の運行支援
 


ITSには魑魅魍魎な略語が使用されている。上の図をクリックすると略語の説明が示されます。

高度道路交通システム
道路交通の安全性、輸送効率、快適性の向上等を目的に、最先端の情報通信技術等を用いて、人と道路と車両とを一体のシステムとして構築する新しい道路交通システムの総称

公共事業としてのITS

ITSをめぐる政官財の全体像(1990年代)
ITSの市場規模は、20年間で50兆円になるとも言われている。そうした新たな利権の周辺で、政官業が渾然としていた時期が一段落したのは1990年代前半である。

そして、現在の湯水のごとく投資されているITS関連投資の概要は、ニッポンの総理大臣が小渕・森と続いたころには決まっていたようだ。「IT革命」を盛んに口にしていた森首相は、ITSを強く意識していたのかもしれません。

こうした過程を経て、ニッポンのITSは、完全な官主導型の公共事業となったのである。
  • 公共事業としてのITS
  • 渋滞は自然に緩和される
  • カネをかけなくてもできること

  • ITS関連公益法人の一部

    民間企業のITS商品


    渋滞は自然に緩和される

     右の図は、総務庁が発表した平成9年1月現在の人口推計をグラフにしたものである。高齢化社会に突入するとともに、自家用車の登録台数は減少傾向を示し始める。その後100年は減り続けることに間違いはない。不況の影響によって、営業用自動車の減少傾向もはっきりしてきている。

     JARTICの渋滞情報をクルマに提供するVICSセンターは、「渋滞解消の決定策」と自画自賛している。しかし、渋滞は登録自動車と免許保持者の減少によって、少しづつ緩和されていくのである。

    カネをかけなくてもできること

     主要道路の一定時間ごとの台数と速度は、とっくの昔に警察がモニターできるようになっている。幹線道路の時間帯ごとの平均走行速度も統計されているはずだ。「安全で円滑な交通」を名目とするのなら、まずこうした情報を分析・公開するべきだろう。それから、円滑にするべき道路は円滑にし、危険性の高い道路にはそれなりの施策を講じるのだ。既にある情報でできることをせず、莫大な費用のかかるITSを推し進めることは、本末転倒ではないだろうか。

    推進派はSF映画のような未来世界をITSで描いているが、沈没する日本の最大で最後の無駄な公共事業になるのかもしれない。

    考 察

     黙っていても経済の停滞とそれにともなう国民の消費意欲の低下、そして人口の減少という材料によって、渋滞は徐々に解消されていく。そのなかで抜本的な行政改革もしないまま、批判の集中砲火を浴びている公益法人を主軸に置いた施策に、莫大な予算をつぎ込まれているのだといえる。

     タダのようにみえる行政サービスも、常に何らかの形で国民が負担している。また「公益」を名目としたこれらの事業が破綻したときには、追い金まで取られることになるのである。

     
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