2005年8月19日

横浜地方裁判所第4刑事部御中

平成17年(わ)413号
被告 野村 一也

陳述書3

被告野村一也は、公訴事件について以下のとおり陳述する。

なお、本陳述書はコンパクト・ディスクに収められた電子記録が原本であるが、紙に印刷したものを写しとして併せて提出する。

 

目次 1.被告の信号は赤だったのか?それとも青だったのか?
(1)原付バイクが発進して衝突するまでの時間について
(2)被告の車両が原付バイクと衝突後、停止するまでの時間について
(3)原付が発進してから、被告車両が停止するまでの時間について
(4)歩行者佐**が転倒した時間について

2.佐**のケガの信憑性について
(1)被害者になることへの動機について
(2)不自然な言動
(3)医者の診断書は被害者の証明なのか?

3.原付は自ら転倒したのか?衝突して転倒したのか?
(1)原付バイクのフォーク部のねじれについて
(2)原付バイクはどのように倒れたのか?

4.目撃者と被害者の関係について
(1)目撃者は原付の見る信号を視認できたのか
(2)目撃者を重視することの功罪

5.総括

附則

被告の信号は赤だったのか?

(1)原付バイクが発進して衝突するまでの時間について

交通事故現場見取図(甲1)によると、衝突地点から合同庁舎側歩道までの距離は16.9メートルとなっている。

山*が「信号待ちで停止していた」と供述する位置から衝突地点までの距離は記されていないが、交通事故現場見取図が正確だとすると、その距離は16.9メートルを超えている。

この距離を17メートルと仮定し、山*自身が供述する通り、衝突直前のバイクの速度が時速20キロメートルであったなら、発進から衝突までの時間は等加速度の場合で約6秒を要する。

なお、現実にはこの数値に人的および機械的反応時間がプラスされる。

(2)被告の車両が原付バイクと衝突後、停止するまでの時間

制動距離は 時速(Km/時)の2乗 ÷(254×摩擦係数) といわれている。
被告車両を時速50km、摩擦係数を0.7すると、
停止するまでに要する距離は 約14.1メートルとなる。

時速50km(秒速13.9m)の車両が等加速で停止するためには、約2秒が必要である。

なお、本件事故において、被告人車両は緊急回避行動を伴っているため、直線上で4輪に制動が伝わることを前提とした上記計算値よりも長い距離および長い時間を要するはずである。

(3)原付が発進してから、被告車両が停止するまでの時間

原付が発進してから被告車両が停止するまでの時間は、(1)に示した原付バイクが発進して衝突するまでの時間と(2)に示した被告の車両が原付バイクと衝突後、停止するまでの時間を足したものから、重複する部分を差し引いたものである。しかしながら、重複部分を計算することは困難である。

(4)歩行者佐**が転倒した時間について

歩行者佐**は、歩行者用の信号が青になった直後に被告車両が向かってくることに気付き、そして転倒した旨を供述している。しかしながら、それが1秒前なのか、2秒前なのか、それとも0.5秒前なのか、被告が確認した佐**の供述はあいまいであった。(音声ファイル:6-2

しかしながら、佐**の見る信号と、原付バイクの見る信号は、同時に青になる。つまり、佐**の信号が青になったと同時に、原付の見る信号も青になり、そして原付は発進しなければならない。

以下、被告野村が録音した佐**との会話記録(音声ファイル:6-2)をベースにして考察する。

原付が発進する時点は、佐**が供述する「信号が青になって★秒後に歩き出した」の★秒が図4に示される。

この時間について、2004年3月6日、佐**は、会話記録(音声ファイル:6-2)の中で次のように述べている。

(佐**)
ほいでねェ。 警察へはねぇ。いちおう、どのような状況でやったかっちゆうこと、全部紙で書いてね、ほいで、 だいたいあなたの言うこと間違いないわ。間違いないはずだわ。

(野村)
佐**さんは、赤で待ってて、青になって渡ろうとしたところにいった、ということですね。わかりました。

(佐**)
何分くらいかかるかとか、なんかいって、
だから、青になって1、2秒あってから渡るからね。

(野村)
(笑)1、2砂確認してから渡るんですか?

(佐**)
青になってから、ほら、あの、渡るから、
その間1秒くらいあるじやないですか、いつも出るまで。

(野村)
あのー、信号っていうのはですね、まあ普通の人間の行動ってみんな一緒で
青になるのをずーつと待って、
青になった瞬間に1歩踏み出そうとしますよ。

(佐**)
そうそうそう、あ・あなた‥、僕も・・、それも・・、今日も‥、それ、ずーつとやってみたのよ。
そしたら、僕はね、だいたい青になってからわたるから、
青になってからやったら、ほら、ま、1秒とないか、コンマ5か1秒ぐらいあってから渡るからね。完全に青になっ
てからね。

佐**の信号が青になったと同時に、原付の見る信号も青になる。佐**が自らの言葉通りに行動し、かつ、原付が青を確認して発進したのであれば、図4に示したとおりになる。この図は、0.5秒ないし2秒の時間で、原付が停止状態から時速20キロメートルに達し、被告野村の車両と接触し、被告車両は時速50キロメートルから停止するまでの動作が行われたことになる。しかしながら、これは物理的に不可能である。

これらの検証から、被告車両が赤信号で進入したのではなく、原付の見切り発車を推察するのが当然である。そして、被告野村は、事故直後よりこれを加賀署に対して主張している。また、現場の画像、会話記録、そして再現動画を含んだ電子書類(1号証)を作成し、これを加賀署に提出した。

考文献
1 清水勇男・岡本弘共著「新訂交通事故捜査の基礎と要点」(令文社・平成15年3月初版)84頁
2 交通警察実務研究会編「交通捜査実務パーフェクトガイド」(東京法令出版・平成12年10月初版)104頁
3 江守一郎「新版自動車事故工学」(技術書院平成5年5月発行)45頁

2.佐**のケガの信憑性について

佐**は、原付車両と被告車両の事故の因果について無関係である。したがって、佐**の言葉は、少なくとも、原付を運転した山*および被告野村との事故の因果については、信憑性がある供述をするものと判断するべきである。

しかしながら、佐**のケガについては、事故状況に対する佐**自身の証言、また、佐**がケガを被告野村に訴える過程において、極めて不自然である。

(1)被害者になることへの動機について

まず、2004年2月22日には、原告との電話において、示談しないと免許に傷がつくことをちらつかせ(音声ファイル:5-1)、さらに、会社を休んでいることをほのめかしている(音声ファイル:5-2)。

以下、同日の会話記録(音声ファイル:5-2)よりリライトした。

(佐**)
あのう、ほら、もう、ぼくらも、まだねぇ、あのう、まだ働いているからね、
あんまり休むことできないんです。
また、あんまり痛くて、ほら、直んなければ、
レントゲンだけでも撮って、どうなっているかわかんないからねェ。
ちょっと来てもらおうと思って、待って、ずーっと探しているのよ。
(野村)
探されているというのは?
(佐**)
あのねぇ、いや、さっき言ったように、ほら。
あのぅ、あんた、今、言った
あのぅ、あんたの方から病院に連絡・・・(不明)
途中で、・・(不明)するような、ことも、
警友病院に聞いたら、探せば、そうゆう病院もありますよ、ゆうてるから。

(野村)
わかりました。まあ、じゃあ、連絡お待ちしてますんで。

(2)不自然な言動

また、佐**は、事故直後には「大丈夫ですか?」との問いかけに「大丈夫」と答え、そして普通に歩いて立ち去った(音声ファイル:6-6)。にもかかわらず、数日経過後に「脚が痛い」「会社を休んでいる」などと言い出しいる。そのなかで脚の痛みについての供述は、不自然である。

(野村)
私、こういうことを言うのもですね。
あのう、ま、あのときすぐ、
ぼ、ぼくがみてたときには、すぐに立ち上がられたんですよ。
すぐに立ち上がって、ね、たしかにぼくに怒ってましたよね。

(佐**)
そうそうそう。

(野村)
そして、そのまま歩いて会社に行かれましたよね。
何事もなかったように。

(佐**)
そうそうそう。びっこひきながら。

(野村)
びっこはひいてなかったですね。
びっこはひいてなかったですね。
普通に、普通に歩いていかれましたよ。

(佐**)
えっ。

(野村)
普通に歩いていかれましたよ。
だから、私は何度か「大丈夫ですか」と聞きましたよね?
「大丈夫ですか」と。

(佐**)
だから私・・・。

(野村)
「大丈夫だ」と、そのまま歩いていかれましたよね?

(佐**)
ぼくも、あの、ほら、まあ、あの、自衛隊いたとき、武道とか、なんかやってたから、ほら、よく○○(不明)なんかするじゃない。
武道なんかいったらね。僕ら少林寺拳法やっとったから、○○(不明)なんかするじゃない。

(野村)
ええ。

(佐**)
そのぐらいな打撲だから、「たいしたことねぇや」と思って、ほいで行ったのよ。
ほしたら会社いったら、デスク座ったら、今度は起きあがる、立ち上がること、立ち上がれなかったの。ほいで、ほら、すぐ電話したじゃない、あんたに。会社からね。
まあ、そんな状態。まあ、それは、それはどうでもいいんだけど。

(野村)
ちょっと、あの私、私も医療のまったくのシロウトじゃないですけども、
あの、まったく、まったく医療の右左もわからない方じゃないです。
医療といいますかね、人の身体のことわかんない方じゃないですけども、
あのぅ、ひざ、関節、に対してですね。
あのぅ、そのときは何ともなくてですね。後から痛くなったわけですね。佐**さんは。

(佐**)
そうそう。会社いってからね。
いや、何ともないってことないですよ。
痛いことは痛かったけど、まあ、歩けるからね。

(野村)
でも、私がね、私がね「大丈夫ですか?」と聞いたときにね。
なぜ、何も言わなかったんですか?

(佐**)
いや、だから、あの痛かったけれども、
まあ、大丈夫だろな、そんな○○○○○(不明)だから、
大、大丈夫だろなと思って・・・、行ったわけよ。

(野村)
でも、「びっこひいた」って言ってたじゃないですか。
大丈夫じゃないのは、「びっこひいた」って、今おっしゃってるじゃないですか。

(佐**)
いや、だから。あ、あ。

(野村)
びっこひいてるっていうのはね、誰でも意識できますよ。
脚がおかしいからね、脚の状態がおかしいからびっこひくわけですよ。
「なにもない」「なにもないと思った」と言いながら、「びっこひいて歩いた」というのは矛盾してますよ。佐**さんのおっしゃてることは。

(佐**)
いやいや、だ、脚が痛いけどもね、したけれども歩けるこ・・・、ま、会社なんだから、
あ、歩けないこともないから行ったわけよ。ま、これ打撲だから・・・。

(野村)
いやいやいや、違いますよ。私がお聞きしてるのはね。
佐**さん、いま「何ともないと思った」とおっしゃいましたよね?
で、その言葉と、「びっこをひいてた」という言葉は、矛盾してませんか?

(佐**)
あ、だから・・・。
じゃ、ま、か、か、彼、彼らに聞いてよ。

(野村)
いや、違います、違いますって。
佐**さんの言葉のことをね、確認しているんですよ。
佐**さんがいまおっしゃったね。「何ともなかった」というのと・・・。

(佐**)
何ともないじゃない。いた、痛いよ、あんた。だって、立ち、立ち上がれなかったじゃない。あそこで、痛くて。

(野村)
違い、さっ、佐**さんすぐ立ち上がりましたよ。

(佐**)
だから、だっ、しばらく、立ち上がったから、ま痛いけど、立ち上がったから・・・。

(野村)
いやいや、だから、私が確認したいのは、
「びっこをひいてた」というのと、「何ともなかった」というのは、矛盾してるんですよ。
どっちが正しいんですか?

(佐**)
いや、そら、痛かった、痛かったよ。

(野村)
いや、違うんですって。
じゃ、痛かったのに「痛くない」と言ったんですか?

(佐**)
いや、だから、痛いけども、ま、あ、歩けるから大丈夫だなって、ぼくは思ったのよ。

(野村)
で、今はどうなってるんですか?

(佐**)
ほいで会社行ったのよ。

(野村)
そいで今、で、後から痛くなったんですか?

(佐**)
そうそうそう。だか、だから会社から・・・。

(野村)
で、で、そのね、その診断のね、状況はね。
医者さ、お医者、医者はね、必ず説明をします。
診断書に書くだけじゃなくて。

(佐**)
ほいでねぇ。

(野村)
どこがどうなってるってことを説明するんですよ。患者に。
どういう説明を受けましたか?

(佐**)
だから、この前にも、ほら、あんたに言うたっけ、
レントゲン3枚撮ったのよね。

(野村)
ええ。

(佐**)
○○(不明)とまん前とね。
ほいで、それ見せてて、あ、これ、フネ、骨にはひび入ってないから、
これ、あのまあ、あの、打撲、強打っていうかね。
だから、湿布だけくれたのよ。

(野村)
あの、痛くなくても湿布はくれるんですよ。医者は。

(佐**)
あ、それ言わないでくれる。痛い、ぼくは痛いから医者行ったんだから。ほいで・・・。

(野村)
いやでも、痛くないって言ったたじゃないですか、私の前で。
ま、それはいいでしょう。でね。

(3)医師の診断書は被害者の証明なのか?

日本の警察は、診断書があればそれをもって、人身事故としての行政上の処理を行っている。また刑事事件としても、医師の診断書の効力は絶大で、これを覆すことはほぼ不可能である。

しかしながら、出来高払い制の医療システムにおいて、医師は容易に診断書を出しており、このことが、休業補償などを目的とした詐欺の要因となっている。

被告野村は、ケガがなくても医師が診断書をだしていること実証するために、「転んでひざが痛い」として、佐**の診断書と同じ*田病院にて診断させたところ、「1週間の加療」と記された診断書(4-3)が得られた。なお、病院に入る前に健脚であることを動画(4-1)に示し、また、病院から出た後を動画(4-2)に示す。

3.原付は自ら転倒したのか?衝突して転倒したのか?

(1)原付バイクのフォーク部のねじれについて

被告が事故当日に撮影し、加賀署に提出した写真(陳述書添付3-13-23-3)において、原付バイクのフォーク部は、多く左側にねじれている。また、加賀署が作成した実況見分調書(検甲1)中写真7においても、それは明らかである。

このように、原付バイクのフォークが大きくねじれるためには、相当な力が必要である。はたして、山*が供述するように、走行中、つまり原付バイクがフォークが固定されていない状態での衝撃によって、これだけのねじれが生じることは考えられない。被告が証言するように転倒によって、原付バイクがある程度に固定された状態での衝突によって、ねじれたものであると想定することが当然である。

(2)原付バイクはどのように倒れたのか?

加賀署での供述(検甲7)および裁判所での証言において、原付ライダーの山*は、「衝突後、左側に転倒した」と供述している。しかし、被告の記憶によれば、原付バイクは、衝突前に進行方向右側に自ら転倒した。だから、被告も右側にハンドルを切り、そして、佐**らがいた方向に流れていったのである。

原付バイクが、山*の主張する左側ではないことは、被告が事故当日に撮影し、加賀署に提出した写真(陳述書添付3-13-23-3)から明白である。なぜなら、これらの写真において、原付の左側に傷は存在しない。

なお、証人保*は、バイクの後部が持ち上がるような激しい衝突であった旨を供述している。しかしながら、フォークのねじれは、バイクに働いた衝撃力が前後方向ではなく、横方向に働いたことを示している。

さらに、バイクが倒れた方向について、加賀町警察署交通捜査係高橋巡査は、裁判所での証言においてはあいまいな証言であった。しかしながら、2004年5月29日における、加賀署交通捜査係高橋巡査との会話記録(9)において、バイクの倒れた方向が、ライダーからみて右側であったことを認めている。なお、当該会話記録中において、被告人は、「(自分から見て)左側」と言っている。

4.目撃者と被害者の関係について

(1)目撃者は原付の見る信号を視認できたのか?

目撃者保*は、警察と検察における供述、および、裁判所での証言において、原付の見る信号が青になったことを視認していた旨を証言している。

しかしながら、目撃者保*がいたとする位置から見ると、原付の見る信号は、斜め方向を向き、さらにフードがかかっているため、視認は困難である。(陳述書添付3-83-910

また、事故は午前8時ころに発生しており、その時間において、太陽は、目撃者保*の対面方向にあった。つまり、陳述書添付3-83-910に示す通り、ただでさえ見えにくいはずの信号の視認性は、さらに悪かったことは明白である。

加賀署が掲げた目撃者募集のお願い看板(7

(2)目撃者を重視することの功罪

警察および検察は、目撃者に対し、当事者とは無関係であるということを証言させるだけで、それを真実として扱っている。

しかしながら、昨今の社会情勢を踏まえれば、逆恨みされかねないリスクを負って、どれほどの第三者が証言をするのかは疑問だ。さらに言えば、1999年から2000年に続いた警察不祥事に端を発した警察不信があるなかで、どれほどの人が警察の捜査に協力を申し出るのかについても、はなはだ疑問である。

一方、事件の当事者が知り合いに虚偽の目撃証言を頼んだとしても、その関係を立証することは、ほとんど不可能である。

保*の供述の真偽はともかく、仮に、山*が保*に虚偽の目撃証言を頼んだとしても、被告野村には、それを立証することは絶望的である。

とにかく、「交通事故の目撃者求む」と書かれた警察の看板が乱立する現状を鑑みれば、ある程度の洞察力を持った人々が、目撃証言によって事故の扱いが大きく変わることを推察するのは当然のことである。

5.総括

事故の発生要因を明らかにするために、写真や動画などの画像が有効であることは明白である。一方、時代の変化によって、かつてフィルムから印刷されていた写真は、デジタルが当たり前となった。また、カセットテープは、MDから記録型CDといった媒体を経て、メモリーに書き込む方式の前に、その座をほとんど失っている。なお、動画を記録するビデオは、未だテープを使った器械が主流であるが、それもデジタルデータとして収める機種がほとんどである。

被告野村は、事故を客観的に分析した陳述書および静止画、動画、音声記録、そして事故の再現動画を含むデジタルデータ(1号証)をCDに正写し、加賀町警察署に提出した。これに対し、加賀町警察署の高橋巡査は、これを一旦うけとりながらも、検察へも、免許課へも送らず、そして、被告野村に返却しようとした。

その理由として、加賀町警察署交通捜査課の高橋巡査は、裁判所での証言において「上司の判断」とした。被告野村も、「上司の判断」という高橋巡査の記憶および記録がある。

この判断をした交通課の田中課長は、被告野村との通話において、書面以外の提出物を一切うけとらない旨を明言している。

以下、(音声ファイル:加賀署交通課田中課長との電話記録(8)をリライトした。

(野村)
あなた方は、あなた方は、市民に対し、だい、不利益処分をしようとしているわけですよ。不利益処分をね。
それに対して、私は弁明書というね。自分の供述、これを自分でまとめて提出したいということを申し上げているわけなんですよ。
で、あなたの、交通課の、加賀署の交通課の、原田課長のご判断においては、
これを受け取れないってことをね、言われていることは間違いないですよね。

(田中)
そうです。

(野村)
最終的に判断するのは、田中さんですからね。いいですか。

(田中)
はい。

(野村)
上が何ていおうが、決定権者は田中さんになるわけですからね。
それはよろしいですね。

(田中)
いいですよ。

(野村)
あなたのご判断のうえで、ね、あのう、不利益処分を受けようとしている者が「提出したい」というものを受け取らない。そうご判断されたということで理解してよろしいですね。

(田中)
はい、はい。

(野村)
わかりました。それで、じゃ、たとえばね。
あなたは「書面でなければダメだ」ということをおっしゃってましたけれども。

(田中)
ええ。

(野村)
たとえば、事故のじょうこう、状況を録画したテープ、
ないしね、証言した人間のカセットテープ、
そういったものを提出したい、という場合も受け取らないわけですね。
あなたがたは、「書面じゃないとダメだ」とおっしゃってるわけですから。

(田中)
そうそう。お願いします。

(野村)
どうですか。 それさえもできないわけですね?

(田中)
いや、書面でお願いします。

(野村)
書面でしかできないわけですね?

(田中)
そうです。

(野村)
わかりました。で、それは、ん。
えー、よく理解しました。
あの、これ記録させてもらいましたんで。

(田中)
はい。

(野村)
はい。失礼いたします。

(田中)
はい。

加賀町警察署交通課田中課長のこの行為は、犯罪の疑惑に対し、被疑者が弁明する権利を奪うものであるといわざるを得ない。そして、被告野村が、事故を客観的に分析した陳述書および静止画、動画、音声記録、そして事故の再現動画を含むデジタルデータ(1号証)をCDに正写したものを、検察に提出しなかったことが、検察の判断を誤らせたものだと思われる。

附則

番号 内容および各書証へのリンク 目的または立証趣旨 種別 記録者 作成日
1 被告が加賀署に提出した陳述書 事故当初における被告人の陳述内容 html書類 野村 2004.02.0
1-1 被告人から見た信号 事故当初における被告人の陳述内容 動画 野村 2004.02.06
1-2 被告人から見た信号 事故当初における被告人の陳述内容 動画 野村 2004.02.07
1-3 信号のタイムライン(被告人と山*) 事故当初における被告人の陳述内容 動画 野村 2004.02.06
1-4 信号のタイムライン(被告人と佐**) 事故当初における被告人の陳述内容 動画 野村 2004.02.06
2-1 佐**との会話記録 事故当初における被告人の陳述内容 音声記録 野村 2004.02.24
2-2 佐**との会話記録 事故当初における被告人の陳述内容 音声記録 野村 2004.03.06
2-3 山*との会話記録 事故当初における被告人の陳述内容 音声記録 野村 2004.03.08
3-1 山*の原付バイク 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-2 山*の原付バイク 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-3 山*の原付バイク 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-4 被告人の車両 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-5 被告人の車両 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-6 被告人の車両 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-7 被告人から見た信号 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-8 被告人の対向側から見た信号 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
3-9 被告人の対向側から見た信号 事故当初における被告人の陳述内容 静止画 野村 2004.02.06
4-1 *田病院の診断書 証人佐**証言の証明力を争うため 動画 野村 2005.06.28
4-2 *田病院の診断書 佐**証言の証明力を争うため 動画 野村 2005.06.28
4-3 *田病院の診断書 佐**証言の証明力を争うため PDF書類 野村 2005.06.28
5-1 被告人と佐**との通話記録(2-1号証のノイズを除去) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
5-2 被告人と佐**との通話記録(5-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-1 被告人と佐**との通話記録(佐**との通話内容) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-2 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-3 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-4 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-5 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-6 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-7 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-8 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-9 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
6-10 被告人と佐**との通話記録(6-1号証を頭出ししたもの) 佐**証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2005.07.11
7 加賀署が掲げた目撃者募集のお願い看板 加賀署のお願い看板 静止画 野村 2004.02.22
8 加賀署交通課田中課長との電話記録 高橋証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2004.06.17
9 加賀署交通捜査係高橋巡査との会話記録 高橋証言の証明力を争うため 音声記録 野村 2004.05.29
10 保*から見た信号 保*および高橋証言の証明力を争うため 動画 野村 2005.05.18
信号のタイムライン
信号@:赤+直進と左左折が青
 10秒以上
信号@:黄+左折のみ青
 約3.0秒
信号@:赤+左折のみ青
 約3.0秒
信号A:赤→青