神奈川県警察加賀警察署長殿

横浜市金沢区富岡西3−18−9
野村一也

陳述書

 私、野村一也(以下、「一当」という)は、山*幸*(以下、「二当」という)、および、佐***憲(以下、「三当」という)との交通事故について、以下のとおり陳述する。
 なお、本陳述書は、一当の記憶よりも客観的根拠および三当の証言を優先し、さらに、 物理学的な検証を加えて作成した。

1 事故概略

事故日時: 2004年2月6日午前8時ころ

場所: 神奈川県横浜市西区本町5−94

事故態様概略:  

↑↑↑
クリックして「再現イメージ1」を開いてください。
50km/h位の速度で交差点に進入ようとした一当車両は、左方から同一交差点に進入した二当原付バイクを発見し、回避操作を行った。二当原付バイクも一当車両に気付き、急減速の後、自ら転倒した。一当車両は、転倒した二当原付バイクを避けるためにハンドルを大きく右に切り、これを回避した。と、一当が思った瞬間、一当車両の左後部が二当原付バイクに接触する感触を受けた。緊急回避操作後、コントロールを失った一当車両は、信号待ちの歩行者3名の方向に向かい、この3名の直前で停止した。
なお、再現イメージ1(および再現イメージ2)は、下に掲げる証拠により作成した。

 

  書証番号 内容および各書証へのリンク 立証趣旨 種別 記録者 作成日
信号のタイムライン
信号@:赤+直進と左左折が青
 10秒以上
信号@:黄+左折のみ青
 約3.0秒
信号@:赤+左折のみ青
 約3.0秒
信号A:赤→青
1-1号証 一当から見た信号 信号のタイムラインと1当の視界 動画 一当 2004.02.06
1-2号証 一当から見た信号 信号のタイムラインと1当の視界 動画 一当 2004.02.07
1-3号証 信号のタイムライン(一当と二当) 信号のタイムライン 動画 一当 2004.02.06
1-4号証 信号のタイムライン(一当と三当) 信号のタイムライン 動画 一当 2004.02.06
2-1号証 三当との会話記録 示談の過程 音声記録 一当 2004.02.24
2-2号証 三当との会話記録 示談の過程 音声記録 一当 2004.03.06
2-3号証 二当との会話記録 示談の過程 音声記録 一当 2004.03.08
3-1号証 二当の原付バイク 二当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-2号証 二当の原付バイク 二当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-3号証 二当の原付バイク 二当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-4号証 一当の車両 一当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-5号証 一当の車両 一当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-6号証 一当の車両 一当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-7号証 一当から見た信号 一当の損害 静止画 一当 2004.02.06
3-8号証 一当の対向側から見た信号 二当が示す目撃証言の真偽 静止画 一当 2004.02.06
3-9号証 一当か対向側から見た信号 二当が示す目撃証言の真偽 静止画 一当 2004.02.06

※2号証「三当との会話記録」より、三当は次のことを証言している。

一当が三当に衝突しそうになったのは、三当が青信号で渡り始めた直後であった。

 三当は、自己の利害が絡む一当/三当間の事案はともかく、一当/二当間の事案に対しては無関係である。したがって、三当は、一当/二当間の事案について、一当および二当よりは公正な供述をすることが期待できる。それゆえ、「再現イメージ」においては、この三当の主張をベースにして、物理的な検証を加えて作成した。

物理的な検証
時速50キロのクルマは、1秒間に約13.9m進む
時速50キロのクルマが停止するには、2.57秒が必要である

本件事故において、一当車両は緊急回避行動を伴っているため、直線上で4輪に制動が伝わることを前提とした計算値(机上値)よりも長い距離および長い時間を要することは明白である。しかしながら、「再現イメージ1」においては、机上値をもとに作成した。このことは、一当が二当原付バイクを発見した時点が「再現イメージ1」よりも前の時点であることを示す。いい替えると、二当原付バイクが交差点に進入してきたのは「再現イメージ1」よりも前の時点であることを示している。

算式
停止距離 = 空走距離(反応時間(秒)× 車速(秒速))+ 制動距離(時速(Km/時)の2乗 ÷(254×摩擦係数))
結果=23.1m

参考数値
通常人の平均的な反応時間は0.75秒

参考文献
1 清水勇男・岡本弘共著「新訂交通事故捜査の基礎と要点」(令文社・平成15年3月初版)84頁
2 交通警察実務研究会編「交通捜査実務パーフェクトガイド」(東京法令出版・平成12年10月初版)104頁

2 考察

(1) 二当が信号無視をしなければ事故は起こらなかった


 「再現イメージ2」(↑)に示したとおり、二当が信号無視をしなければ、一当は交差方向の信号(信号A)が青になる前に交差点を通過していた。つまり、二当が信号無視をしなければ、事故は発生しなかったといえる。

(2) 二当が主張する目撃証言について

 二当は、一当と対向する車線で信号待ちをしていた車両のドライバーが「信号(信号A)は青だった」との証言を得たとの主張をしている。しかしながら、二当のいう証言車両の位置付近からでは、信号Aの目視は困難である。<3-8号証および3-9号証>

(3) 三当のケガについて

三当の被害は、以下の理由から極めて大きな疑問が残る。

  1. 事故当時、一当車両と三当の接触はなく、三当はしりもちをついて、すぐに起き上がった。そして、そのまま普通に歩いて立ち去った。<一当の記憶>
  2. 2月24日には「いつまでも仕事を休んでられない」と仕事を休んでいることをほのめかしながら、3月6日に一当が追求すると「休んでない」と矛盾した発言をしている。<第2-1号証><第2-2号証>
  3. 三当の発言は、「前から倒れた」「しりもちをついた」「(しりもちをついた後)体の向きを変えて」などと一貫性がなく、また、動物的な危険回避および基礎的な起き上がりの動作において、一般的ではない動作をした旨を主張している。<第2-2号証>
  4. 「(事故当時)なんともなかった」「痛かったけど我慢した」「ビッコをひいて(現場)」「あとから痛くなった」などと一貫性にかけている。<第2-2号証>

以上