「いったいどこに停めりゃいいんだ・・・」
駐車する場所がないまま、取り締まりが強化されたことに困惑するライダーに対し、タテ割り行政の日本では意見する窓口さえ明らかではない。
路外駐車場を所管する国土交通省は、路外駐車場で儲けたい一心なので、大して儲からないオートバイなどゴミ扱いだ。公有財産を牛耳る天下り法人にわずかな時間貸し駐車場を提供させているに過ぎない。
路上駐車場のカギを握る警察はいうと、道路を駐車場として利用するための行政上の権限を牛耳っているにもかかわらず、ひたすら路外駐車場の必要性をアピールし、国土交通省に責任転嫁をしている。
事実、行政はオートバイ用の路上駐車場を、日本全国にたった1台分さえ整備していない。日本の行政が(路外でなく)道路に整備しているのは、批判に耐えかねた国土交通省が整備を許し、自治体がわずかに設置した占有許可駐車場だけだ。ただし、これも125cc以上は対象とされていない。
このようにタテ割り行政の呪縛から抜け出せない日本に対し、地方自治による〝まちづくり〟が行われる欧米都市では、地方自治体が路上駐車場(オン・ストリート・パーキング)を整備する権限をもっていて、オートバイ用には無料の駐車場が整備されている。(→参照:サンフランシスコ,ハワイ01・02,ニューヨーク,)
このセクションでは、ロンドンの一行政区画であるシティ・オブ・ロンドンが提供する無料の路上駐車場の一部をリスト化した。なお、ロンドンが特別なのではなく、地方自治が機能している欧米諸国の都市は、道路を駐車場として積極的に利用している。いい替えると、徹底的に路上駐車を排除しようとする日本が異常なのである。
ロンドンがそうであるように、欧米都市では積極的に一方通行が取り入れられ、そして、道路の片側にはオンストリート・パーキング(路上駐車場)が設置されている。で、ニッポンはというと、極端に一方通行がすくない。そうなってしまう最大の理由は、通行を規制する権利を警察が握っていることにある。道路のソフトとハードのタテ割り行政によって、一向に調整が進まないのである。
ガチガチの道路構造令で道路を作るには、まず通行量を試算する必要がある。つまり計画段階で、一方通行か、相互通行かを決めなければならないのである。都市計画を知らない警察がこの段階で歩み寄ることはなく、あきらめた道路役人は、漫然と相互通行の道路を作ることになったのである。
道路幅が少なかろうが、お構いなく相互通行で作られる道路は、やはり漫然と両側が駐車禁止にされる。そして、たった数台の車両が停車するだけで交通が破綻する街は少なくない。
→参照:新横浜改造計画