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密室で決められること
ここで左図のオモテ向きのシステムとウラ側の現実を切り替えてその違いをよく見てみよう。
ちなみにオモテ向きのシステムとは、「報道の対象となっている機関」といい替えることができる。
そして ウラ側の現実では、密室である閣議と事務次官会議が重要な位置づけにあることがわかる。
では、この閣議と事務次官会議とは、いったい何だろう?
閣議とは?
内閣の重要案件を決定する非公開の会議。何の議論もなされることなく、お役所の案件を次々に追認する形式的な会議である。閣議案件のバックナンバーを見れば、お役所の案件が数日おきに“政令(内閣の制定する命令)”として決定されていることが分かる。閣議後の記者会見はあっても、閣議そのものは完全な密室で行われる。聞くところによると、出席者は黙々とお習字をしているという。
事務次官会議
官僚国家の最高会議。やはり非公開だ。
法治国家の根幹である法は、各省庁ごとに練り上げられ、ほかの省庁との利害が発生する場合は事前に調整し、そして、事務次官会議で反対がなければ承認される。ただし、たったひとつの省庁でも反対した場合、その案件は承認されないといわれている。これを裏返しに考えると、ほかのお役所の利害がからまない案件は、そのまま承認されているものと予想できる。なぜなら、ほかのお役所に反対する理由がないからだ。
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