敬称は省略させていただきました
委員は警察本部内では「先生」と呼ばれる。確かにそろってそうそうたる肩書きをお持ちだ。しかしこれらの肩書き(本職)と併せて公安委員会のお仕事が可能なのであろうか?
北海道での公安委員長への報酬は年間402万円。 他の委員への報酬は288万円である(いずれも平成9年度実績)。 広範な警察責務を管理する仕事への報酬としては安すぎる。名誉職としての報酬設定額であることは明らかだ。
また数々の功績を残された先生方にとっても、公安委員になるそれまで深く関与することのなかったであろう広範な警察所掌事務を管理するための知識を蓄えることは、失礼ながら年齢的にかなりしんどいのではないだろうか。
北海道公安委員会(011-251-0110内2124)に電話すると北海道警察総務部に繋がる。また北海道では公安委員会に所属する職員はひとりもおらず、先生方は毎週水曜日午後1時からの会議に来るだけである。なお会議は必ずしも毎週行われるわけではない。
都道府県公安委員会は知事の所管にあるが都道府県警察に対して知事は直接の権限を持たない。公安委員会を間にはさむことによって、都道府県警察が都道府県の直接的な関与を退けている実態がそこにある。
都道府県の財源によってその活動費のほとんどを賄いながら都道府県には警察活動に関与する何の権限も与えられていない。
地域差や地域の特色を無視して全国一律の警察運営を行い得る恐ろしく中央集権化された組織が日本警察なのである。そしてその権限は警察庁長官に集約されている。
お飾りとなった都道府県公安委員会の存在が警察の実態を市民に伝わりにくくし、警察には「公安委員会が決めたこと」といういい訳を与えている。
この日本警察の状況は民主主義の対極にあるといっても過言ではない。