なぜなら、クルマを新たに取得するときだけの手続きなので、そのときだけ駐車場を借りればよいからだ。駐車場を解約しようが、転居先に駐車場がなかろうが、それに対する現実的な執行力は存在しない。律儀な人においても、転居時に車庫法上の届出をする人はほとんどいないだろう。
このように、車庫証明システムには、継続的な執行力がないのである。従順な人だけが(継続して)従うという点において、車庫証明のシールは、玄関に貼られたNHKのステッカーと同程度のものだといえる。
その一方で警察は、事務の委託料と高価なステッカーなど車庫証明システムの維持に必要な予算を獲得した。そして、車庫法の“継続的な執行力の欠如”という重大な欠陥を放置したまま、次なる罰則強化の機会を待っていたのだろう。